こんにちは。
緊急事態宣言下でもガシガシと対面取材をおこなっているフリーライター・クロオカです。
この記事では
●どうすればフリーライターになれる?
●フリーライターとして収入を伸ばす方法は?
こういった疑問に答えます。
フリーライター歴17年の僕の月収・年収は

Photo by Aneta Pawlik on Unsplash
年間売上は400万円以下、月間は100万円に届かず。
僕が大阪から東京へ転居し、フリーライターとして活動を始めたのは、2004年(36歳)の秋。以後17年間での平均年収(売上額)は約230万円です。その間、年収が400万円に届いたことはなく、最高月収は100万円まであと少し・・・というのは何度かあります。最低年収は110万円、最低月収は0円です。
お金をたくさん稼ぎたいなら他の仕事を選びましょう。
これからフリーライターをめざそうとしている方の多くは、この数字を見て落胆するかもしれません。でも僕自身はもともとお金をたくさん稼ごうと思ってこの仕事を始めたわけではありません。儲からなくてもいいから物書きになりたいというのがスタートで、大阪の編集プロダクションに在籍していた時は年収が300万円に届いたことは一度もありませんでした。ですから現在の状況については「いつ仕事がなくなってもおかしくない」という危機感こそあれ、収入に関する不満はありません。恵まれた環境で仕事ができていると思います。
参考になる指標としては、『フリーランス白書』(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会発行)があります。最新2023年版によると、クリエイティブ・web・フォト系のフリーランスの年収は200万円未満、出版・メディア系が400万円〜600万円未満となっています。ライターの仕事はどちらにも含まれますので、現在、フリーライターとして活動している人の年収は200万円〜600万円程度と考えればいいのではないでしょうか。
また、『2022年版職種別モデル年収ランキング』(マイナビ転職)では、記者・ライター(会社員を含む)の平均年収は588万円で、職種別の順位では316職種中69位。これをどう捉えるかは人によって違うと思いますが、お金をたくさん稼ぎたいのであれば、他の仕事を選んだ方がいいということではないでしょうか。副業で始めるにしても、けっして割のいい仕事ではないと僕は思います。
影響を受けるのは経済動向がマイナス方向に振れた時。
ちなみに、僕が最低年収を記録したのはリーマンショックに襲われた2009年(平成21年度)です。新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言で経済が止まった2020年の売上は前年比約76%ですので、経済が衰退した時は売上が減りました。
反面、景気が上向きになった時期に売上が伸びたのかといえばそうでもないので、大きな影響を受けるのは経済動向がマイナス方向に振れた時のみ、といえますね。もちろん、これは僕の主戦場が首都圏の企業取材(プロモーション記事の作成)だから。専門誌や週刊誌(webメディアを含む)で活躍している方とは売上が増減する時期がまるで違うと思います。
会社で実務経験を積み、独立するのがベストな理由
フリーライターで1,000万円プレイヤーになれるのは、ほんのひと握り。それでも好きなことを仕事にしたいという方には、独学ではなく、未経験者歓迎の会社で実務経験を積むことを強くおすすめします。ベストなのは大手出版社やマスメディア企業からwebと紙媒体の取材記事・タイアップ記事のライティング・デザイン業務全般を手がけている編集プロダクションおよび制作会社です。その理由としては、以下の3つがあります。
・独学よりはるかに早く取材とライティングができるようになる。
・独立後もパートナーとして関係を継続できる。
クリエイターのスキルが身につく。
中小規模の会社では業務に明確な線引きがありません。意欲さえあれば、画像や動画の撮影・編集技術、グラフィックデザイン、webデザイン、コーディングなど、クリエイターとして生きていくためのさまざまなスキルを身につけることができます。ライティングはクリエイティブ系のどの仕事とも親和性が高いので、チャレンジしておいて損はありません。
独学よりはるかに早く取材とライティングができるようになる。
大手出版社やマスメディア企業から継続的に制作業務を受注している会社には、クライアントが望む文章か否かを正確にみきわめ、添削できる人が必ずいます。本気で物書きをめざすのなら、そういう人のもとで作成と修正を繰り返し、揺るぎない礎を築きましょう。また、フリーライターとして仕事を受注するには取材は必須。これも、経験豊富な人がいつもそばにいるという環境であれば、対面取材・リモート取材とも独学よりはるかに早く習得できるはずです。
独立後もパートナーとして関係を継続できる。
会社のお金を使い込んだとか、社長の奥さんを寝取ったとか、取り返しのつかない裏切り行為をしたというのなら別ですが、中小規模のクリエイティブ系の会社において社員の独立は珍しいことではありません。引き留めるよりも「応援するからな」「これからも助けてくれよ」と言って送り出してくれる経営者の方が多いのではないかと思います。
僕が在籍していた編集プロダクションもそうで、時折電話で暇なら手伝えと声をかけてくれ、フリーになってやりたかったことができてしまい目的を見失った時には「戻ってくればええやんか」と言ってくれました(実際に復帰して4年間務めました)。
僕が東京へ来てからは縁遠くなってしまいましたが、窮地を救ってくれたことは今でも感謝しています。
収入アップの鍵は、文字単価5円以上の取材案件の獲得
フリーライターとして生活を維持するために必要なのは、文字単価5円以上の案件を獲得することだと思います。同業者がどうやって稼いでいるのかは分からない(知ろうとしていない)ので経験則でしか話せませんが、僕の場合、ベースになっているのは2,000文字で20,000円(税抜)の案件です。
内訳は、取材費8,000円(交通費込)、原稿料が12,000円ですので、文字単価は6円。この案件で実績を作ると4,000文字で28,000円、6,000文字で45,000円の案件を任せてもらえるようになり、数年後にはさらに単価の高い案件が年に1~2件のペースで入ってくるようになりました。
取材が必要な案件は単価が高い
文字単価5円以上の案件を継続的に受注する条件、それは取材ができることです。言い換えれば、取材が必要な案件は単価が高い、ということです。また、単価の高い案件では取材費も高くなります。
例えば僕は、人数と時間に関係なく、1件(1日)あたりの取材費を8,000~10,000円(交通費込)に設定していますが、大手企業のwebサイトや会社案内のフルリニューアルのような制作費が潤沢な案件では、何日かに分けて取材・撮影を行い、1件(1日)あたりの取材費として20,000円を超える金額を提示されることもあります。
もちろん、定められた文字数と表現ルールと締め切りを守り、クライアントと編集者、読者が望む内容の文章を作成できることが大前提ですが、1日かけてリサーチしても取材費として認めてもらえないwebライティング案件との違いは歴然としています。
自身の経験やバックボーンに関係なく受注できる
取材ができた方が有利な理由はもうひとつあります。それは専門外の分野――趣味でも仕事でも、これまでまったく関わりがなかった領域の記事も書けるようになる、というということです。
例えば、企業の新卒採用サイトや入社案内がそうですね。株主や取引先に向けた情報で構成されるコーポレートサイトや業界誌、専門誌などでは経験に裏打ちされた知識を求められることが多々ありますが、学生向けのサイトは必ずしもそうではありません。
大切なのは、読者である学生の目線でその企業を理解し、就職を希望している学生が知りたがっている情報を引き出してわかりやすい文章にまとめること。それができれば、飲食業界で働いた経験しかなくてもIT業界の採用関連記事の作成を受注できます。つまり、自身の経験やバックボーンに関係なく、興味のある業界や分野に、どんどん踏み込んでいけるのです。
というわけで今回は、フリーライターの年収に関してお伝えしました。
これからフリーライターをめざす方には、
フリーライターはけっして割のいい仕事ではありませんが、取材力を身につけ、対応できる分野を拡げていけば単価の高い案件を請けられるようになります!
と、エールを送ります。
プロを目指すか、副業で満足するか。
それでも、副業でいい、月1万円でもいいからライティングで収入が得たいという方はこちら。
未経験者は1円以下の案件からスタートと決まっているわけではありません。ボランティアじゃないので、条件のいいところにトライしましょう。
社員ライターとして経験を積んでから独立する道を探る、という方はこちら。
SEOライティングだけという会社は避け、紙媒体、web媒体とも手がけていて、取材とライティングがセットになっている会社を見つけましょう。雑誌や書籍はオワコンと言われますが、書店に本が並んでいるうちはチャンスがあります。

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