フリーランスになるための準備と開業後にやるべきこと | クロオカノート
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フリーランスになるための準備と開業後にやるべきこと

フリーランスになるための準備と開業後にやるべきこと

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フリーランスとして生きていく覚悟を決めたあなたへ

「やりたい仕事があるけど、この会社では不可能」
「一人で完結できる仕事だし、組織に所属しなくても需要が見込める」
「主要クライアントが、”独立したら仕事を回す”と言ってくれている」
「5年頑張ったらフリーランスになろうと決めていた」
「一人で仕事をするのが性に合っている」

フリーランスになる理由は、人それぞれ。仕事を続けながら自分と向き合い、あるいは尊敬する人に相談してフリーランスになる覚悟を決めたあなたは、その日までにどんな準備をするべきでしょう。そして、会社を去った後、やるべきこととは?成功の秘訣とは?フリーライターとして30年以上生き延びてきた僕が、自身の経験とこれまでに仕事をご一緒してきたクリエイターの皆さんから教わった内容をもとにお届けします。

フリーランスとは?個人事業主との違い

まず、フリーランスと個人事業主の違いを知っておきましょう。
フリーランスと個人事業主は、特定の企業や団体に属さないという点で共通しており、混同されがちです。しかし、個人事業主とフリーランスの概念は異なります。

フリーランスは、特定の会社や団体に所属せず、自らの技能を活かして仕事を請け負う「働き方」。企業とは「雇用契約」ではなくプロジェクトやコンテンツ単位の「業務委託契約」を結びます。

一方、個人事業主とは、「事業所得」を得ている個人を指す税法上の区分です個人事業主となるためには、税務署に「開業届」を提出する必要があります。

つまり、「フリーランス」は働き方の一種であり、「個人事業主」は税務上の呼称です。フリーランスとして働きたいあなたが税務署に開業届を出すと、税務上「個人事業主」に分類されます。

会社在籍中に準備しておくこと

簿記のスキルを身につけておく

最初にこれをお伝えするのは、僕のまわりには簿記のスキル不足、数字に対する苦手意識が本業の足かせになっているフリーランサーがとても多いからです。

簿記の知識とスキルが不足していると経費や売上の仕訳作業が後回しになります。そして、請求書・納品書の提出が遅れる→クライアントの信用を損なう→確定申告書の提出期限間近に仕事が止まる→売上が減る→正確な仕訳ができていないので余計な税金を払うことになる・・・・・・という悪循環を生みます。

税理士を探して丸投げする方法もありますが、年間費用の相場は7~10万円(所得500万円以下の場合)が目安。「freee」「マネーフォワード クラウド確定申告」など、AIを駆使した会計ソフトが利用できるこの時代に、これだけのお金を使って自分の稼いだお金の確定申告を他人に任せるのもどうかと。

会社での職種や部署が何であろうと「簿記を学びたい」と言えば嫌な顔をされることはないと思います。在籍中に資格取得をめざして勉強しておきましょう。学生の方で将来、独立すると決めている方は、今のうちに学んでおくことをおすすめします。

【関連記事】フリーランスとして働くなら、簿記のスキルは絶対に必要です!

税金についての理解を深めておく

会社に在籍中は給与・報酬から天引きされていた税金を、フリーランスは自身の所得に応じて振込や口座振替といった方法で納めなければなりません。

たとえば開業1年目の事業収入(売上から経費と控除額を引いた金額)として400万円を見込んでいるのであれば、翌年度にどれだけの税金をいつまでに納めなければならないのかを、しっかりと理解しておきましょう。

フリーランスを目指している方であれば、ある程度の資金を準備されていると思いますが、収入と税金の関係を知っておかなければ、どんなに需要があっても立ちゆかなくなりますよ。

【関連記事】フリーランスが納める税金

クレジットカードをつくっておく

手元に現金がなくても買物ができ、キャッシングも可能なのがクレジットカードの魅力ですが、フリーランスにとって最大のメリットは経費の管理がしやすくなること。

経費(交通費、接待交際費、工器具備品など)の決済をクレジットカードでおこない、「マネーフォワード クラウド確定申告」「freee」などの会計ソフトと連携すれば、所得を計算するために不可欠な仕訳作業のストレスを大幅に軽減できます。ビジネス用、生活用と分けておけばより管理しやすくなりますよ。

一般カード(プレミアカード、ゴールドカード以外)であれば、個人事業主として税務署に開業届を提出し、フリーランスになった後でも審査をクリアできると思います。しかし、カード会社の審査基準はいつ変わるか分かりませんので、年収等が明確な在籍中につくっておくことをおすすめします。

【関連記事】30代でフリーランスになってから申し込み、審査をクリアしたクレジットカード

カードローンの利用枠を拡げておく

取引先の倒産。景気の悪化、社会情勢の変化による受注単価の大幅減額。担当者の変更による契約の打ち切り。企業の一員として体験した不測の事態は、フリーランスの身にも当然、起こり得ることです。

いつかはわかりませんが確実にやってくる来るその日に備えて、お金を借りられる場所を複数確保し、利用枠を拡げておきましょう。最も確実なのは取引銀行のカードローンです。

ただ、社会人になってから取引銀行を預金の入出金くらいしか利用してこなかった場合は信用が薄く、在社中に申し込んでも限度額を10万~30万円程度に設定されてしまいます。

それでは心許ないので複数の金融機関に申込み、引き出しと返済の実績をつくって利用枠を拡げておきましょう。金融機関によっては数万円程度の実績で限度額変更のオファーをしてくれます。

窮地に追い込まれてから泣きついても、銀行はお金を貸してはくれませんよ。

転居を済ませておく

ライターやWebデザイナー、YouTuber、動画クリエイター、プログラマ、ITエンジニアなど、自宅を仕事場にできる職種で、在宅ワーク環境に不便さを感じている人は、会社に勤めている間に物件探しと転居を済ませておきましょう。

なぜなら、フリーランスの2人に1人が住まい探しに苦労しているという現状があるからです。

【外部リンク】LIFULL HOME’S「フリーランスの住まい探し実態調査」を発表

国内のフリーランス人口が1,500万人を超えた今でも、「収入が安定しない」「信用がない」という理由でフリーランスとの契約を渋る家主さん、不動産管理会社は少なくありません。それを踏まえて、独立後の働く環境づくりを進めましょう。

孤独感や不安を軽減できる人間関係を構築し、趣味を見つけておく

何名かを雇用するにせよ、1人ですべてをおこなうにせよ、思うように仕事が入ってこないときの焦りや不安、自分の代わりは誰もいないという状況に置かれたときの緊張感は、会社員時代の比ではありません。

会社の人間関係が嫌になってフリーランスになる決意を固めた方もおられると思いますが、人はひとりでは生きていけません。家族。恋人。友人。つらいときに「助けてほしい」と言える人を大切にしましょう。

仕事を忘れられる趣味を持つことも孤独感や不安の軽減に有効です。会社員時代に始めた趣味があれば継続することをオススメします。人付き合いが苦手で仕事仲間とは一定の距離を保っておきたい僕はサッカー(個人フットサルも)とジョギング、ひとりカラオケでメンタルのバランスを整えていました。続けていなければ早い時期に壊れてしまっていたと思います。

フリーランスとして事業を開始するための手続き

開業届を提出する

フリーランスとして活動するには、所轄の税務署に「開業届」(正式名:個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する必要があります。「開業届」は個人事業主となったことを知らせるための書類で、所定のフォーマットは国税庁のHPからダウンロードできます。

【外部リンク】個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)|国税庁

記入する内容は、住所、氏名、個人番号、職業、屋号、事業の内容など。提出期限は開業日(任意)から1カ月以内。提出方法は直接提出と郵送があり、いずれもマイナンバーを確認できる書類が必要となります。

青色申告承認申請書を提出する

青色申告承認申請書を提出すれば青色申告事業者となります。この書類を提出せず、白色申告事業者としてスタートすることも可能ですが、青色申告なら最大65万円の控除を受けられるなど(白色申告は最大10万円)、税金面でさまざまな優遇処置を受けることができます。開業届と一緒に税務署へ提出しておきましょう(開業届を提出せず、青色申告承認申請書だけを提出することはできません)。

【外部リンク】青色申告承認申請書|国税庁

青色申告には複式簿記の知識が不可欠です。開業届を提出して個人事業主になると、たとえ年収が100万円以下でも確定申告をしなければなりませんので、開業前に習得しておきましょう。

国民健康保険に加入する

退職すると健康保険証を会社へ返納し、14日以内に国民健康保険への加入をおこなう必要があります。離職時に発行される「退職証明書」または「雇用保険の離職票」と、本人確認ができる身分証(個人番号カード、免許証など)を役所の窓口に持参して手続きをおこないましょう。

国民年金に加入する

会社を退職すると、厚生年金から国民年金への切り替えが必要になります。手続きをする場所は役所の「保険年金課」です。退職日を証明できる書類(退職証明書、離職票、健康保険喪失証明書など)と年金手帳を持っていきましょう。年金手帳を紛失してしまった場合は、窓口でそう伝えれば対応してくれますよ。

国民健康保険、国民年金は金融機関や郵便局、コンビニのほかスマホの決済アプリ(PayPay、楽天ペイ、au PAYなど)で納付できます。毎月の支払いが面倒な人、忘れそうな人は、役所での加入手続きの際に所得税・市民税と合わせて口座振替にしておくといいですよ。

事業用銀行口座を開設する

開業届を提出して個人事業主になると、書類に記載した屋号で新たな銀行口座を開設できます。ビジネスと生活用の口座を分けるメリットは、経費を明確に区別することによって確定申告の仕訳作業を効率化できること。

また、報酬の振込先を屋号付き口座に指定すれば、たとえ開業から間もない状態でも、取引先から「ビジネスとして真剣に取り組んでいるフリーランス」と認識され、対外的な信用の獲得につながります。

事業用銀行口座の開設はマストではありません。僕はライターの場合は屋号より個人名の方がいいと思ったので(屋号の印鑑をつくるのが面倒だったのもあります)、個人名で開設した口座でビジネスと生活費の出入金を管理しています。変更の必要性を感じないのでこのまま継続するつもりです。

ビジネスの入手金を管理できる環境を整える

確定申告の期間は、原則として2月16日~3月15日までの1ヵ月間。秋冬の時期に開業すればその日はあっという間に来てしまいますので、開業すればただちに確定申告ソフトを用意して、入出金の管理をおこないましょう。

現在はAIを駆使したクラウド会計ソフトがありますので、あらかじめ簿記のスキルを身につけた方であれば、1年分の仕訳を数日間でおこなうことも難しいことではありません。しかし、何事も最初が肝心です。操作に慣れるためにも開業したら週単位で仕訳をおこない、入出金の規模感をつかんでおきましょう。

【関連記事】フリーランスの青色申告に『マネーフォワード クラウド確定申告』をオススメする5つの理由

おわりに

フリーランスになるための準備とは、今まで会社にやってもらっていたことを自分でできるようになるための準備です。なかでも特に重要なのはお金に関するところ。

これまで会社で培ってきた経験やスキルを生かして好きな仕事を続けていくために、時間をかけて体制を整えておきましょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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